林光合唱作品を歌う Part18

合唱オペラ 白墨の輪

【合唱オペラ版初演】
 
台本   広渡常敏・加藤直
作曲   林  光
 
演 出  加藤 直
指 揮  鈴木義孝
ピアノ  郷津由紀子
 

Staff * スタッフ

照明     安達俊章
舞台監督   平野礼子(劇団山形)
 
美術・小道具 安藤 淳
 
舞 台    亀井泰樹
 
演出助手   鈴木 瞳
       冨岡美紀 

照 明    庄司大也
       吉川祐介
       時田信明
 
衣 装    鈴木 瞳
       野﨑 恵
       小野寺利恵子
       冨岡美紀
       古澤優芽

 

 Cast * キャスト 

語 り
 
松葉杖の男
  
若い女
母 親
兵 士
 
ゲオルギ・アバシュウィリ(領主)
ナテラ(領主夫人)
ミヘル(若君)
カツベキ(反乱する貴族)
侍 医
シャルヴァ(副官)
マロ(乳母)
侍 女
 
グルシェ・ヴァハナッツェ(台所女中)
シモン・ハハヴァ(兵士)
 
料理女
農 夫
農 婦
甲騎兵
 
 
 
アツダク(村役場の書記、裁判官)
三人の大百姓
百姓の老婆
イラキ(山賊)
弁護士
 

布施恵子、澁谷 一 
 
冨岡和起(山形公演)
野﨑大雅(東京公演)
森谷智恵、押切謡子
塚本万紀子
渡邉秀至
 
岡崎充男
伊藤由美
 
阿部 洋
鈴木裕美、鈴木俊明
五十嵐正拓
小野寺利恵子
鈴木研子、古澤優芽、鈴木優衣
 
鈴木 瞳
鈴木 烈
 
森谷富美子
鈴木哲雄
川崎実里
安藤宏哲
冨岡和起(山形公演)
野﨑大雅(東京公演)
 
東海林 聡
牧野 節、藤江泰郎、古澤良彦
西村仁美
渡邉秀至
青木昭子、安藤 淳

  • 語 り
    • 布施恵子、澁谷 一 

 

  • 松葉杖の男
    • 冨岡和起(山形公演)
    • 野﨑大雅(東京公演)
  • 若い女
    • 森谷智恵、押切謡子
  • 母 親
    • 塚本万紀子
  • 兵 士
    • 渡邉秀至

 

  • ゲオルギ・アバシュウィリ(領主)
    • 岡崎充男
  • ナテラ(領主夫人)
    • 伊藤由美
  • ミヘル(若君)

 

  • カツベキ(反乱する貴族)
    • 阿部 洋
  • 侍 医
    • 鈴木裕美、鈴木俊明
  • シャルヴァ(副官)
    • 五十嵐正拓
  • マロ(乳母)
    • 小野寺利恵子
  • 侍 女
    • 鈴木研子、古澤優芽、鈴木優衣

 

  • グルシェ・ヴァハナッツェ(台所女中)
    • 鈴木 瞳
  • シモン・ハハヴァ(兵士)
    • 鈴木 烈

 

  • 料理女
    • 森谷富美子
  • 農 夫
    • 鈴木哲雄
  • 農 婦
    • 川崎実里
  • 甲騎兵
    • 安藤宏哲
    • 冨岡和起(山形公演)
    • 野﨑大雅(東京公演)

 

  • アツダク(村役場の書記、裁判官)
    • 東海林 聡
  • 三人の大百姓
    • 牧野 節、藤江泰郎、古澤良彦
  • 百姓の老婆
    • 西村仁美
  • イラキ(山賊)
    • 渡邉秀至
  • 弁護士
    • 青木昭子、安藤 淳

あらすじ

 都で反乱が起こり、領主が首を切られた夜、女中のグルシェは、奥方が置き去りにした赤ん坊のミヘルを連れて逃げる。
 世継ぎの命をねらって追手は迫り、グルシェは知恵と力の限りをつくして、幼子を守る。
 ついうっかり、〈人間らしさ〉への誘惑に負けて、追われる領主の遺児を道づれにしてしまったグルシェは、だが、苦労と危険を重ねるごとに、その分だけ子供への愛情も深まり、ついにミヘルを自分の子供として育てる決心をする。
 だがその時、反乱は平定され、奥方は、亡夫の領地と財産を手に入れるために、見捨てた子供が必要になる。ミヘルは発見され、ふたりの女、グルシェも奥方も、自分こそ母親であると主張する。
 裁くは快判事アツダク。地面に描いた白墨の輪の真ん中に子供を立たせ、ふたりの女に両方から引っぱれと命ずる。世に名高い白墨の輪の裁判の成り行きは…。
 

オペラを楽しむのに  林 光(作曲家)

 オペラを楽しむのに難しい理屈はいらない、とよくいわれます。
 おまえはどう思うか、と、私はよくきかれます。私は、こう答えます。
 楽しいオペラを観ながら、それについてあれこれ理屈をこねるのがいちばんすばらしい、と。つまり、こうです。
 世の中には、前もって理屈や講釈をプログラムを読んで勉強しておかないことには、楽しくもなければ、歌っている言葉だけきいていたのでは筋も判らないオペラが、多過ぎます。そういうオペラはごめんだ、という意味でなら、私も《難しい理屈はいらない》に賛成です。
 私の『白墨の輪』は、そういう意味でなら、まさに、《難しい理屈はいらない》オペラです。物語の中心になっているのは、大岡裁きの話にもある、ほんとうの母親を発見するために、子供をひっぱりっこする、あれです。登場人物はみんな、どこにでもいそうな、子供が可愛かったり、子供が邪魔だったり、あるいはその両方だったり、でなければお金が欲しかったり……。音楽のすばらしいちからの助けをかりて、そんな人々の生きかたを二時間半の歌芝居にまとめたものです。
 さて、《難しい理屈抜きに》楽しんでいただいたこのオペラのなかに、実はいろいろな理屈がかくされています。なぜ人間は? とか、なぜ世の中は? とか、子供にとってしあわせの条件は血のつながりかそれともお金? とかいったぐあいに。
 《理屈抜きに》楽しんでいただいたせいで、そういう質問がきこえてきてしまったのです。ついでですから、そのことについても、ちょっぴり考えてみてくださいませんか。テレビドラマを見ながら、議論するときのように。
 強要はいたしません。でも、私は、オペラだって、この世で生まれたものですから、ほんのちょっぴり世の中の苦しさや、またすばらしさがあらわれてくるはずだし、そういう苦しさやすばらしさを描くとき、音楽のすばらしいちからは、いちばん熱く燃えるのだと、私は信じているのです。

(こんにゃく座『白墨の輪』初演時の巡回公演パンフレット より)

 

プログラムノート   加藤 直(演出家)

 「じゃがいも」という合唱を専らにする集団の興味は尽きない。大きな理由は音楽と共にありながら音楽からどこまでも自由だからだ。
 それはおそらく いつもどこかで林光という人と共同作業をしているという自負があるからに違いない。
 林光さんの「音楽に自由に対する姿勢」はそれはもう厳しくかつ自在で 清々としてカッコがよかった。
 「じゃがいも」のリーダーであり指揮者の鈴木義孝さんの「林光」理解を 集団が存分に共有し潔く楽しむからこその「ユニーク」もまた面白い。
 
 さて今回の演目は合唱オペラ「白墨の輪」である。二十世紀のというより今日の劇場表現に一つの革命をもたらしたブレヒトの「コーカサスの白墨の輪」を原作にもつのだが まさに林光オペラ面目躍如だ。理屈や理解をさっさと追い払い 人間て何だろう? を素朴にそして時に滑稽に 叙情とスラップスティックなドタバタを交え音楽劇に(歌芝居に)している。無論だからといって歌い演じるのは簡単ではない。まずは「じゃがいも」の皆さんそれぞれ一人一人が お話や言葉そして音楽にどれだけ自由に対することが出来るかということから稽古は始まりました。
 それにしても「自由」とは何だろう?

※スラップスティックとは コメディの一種。体を使ったギャグ。「どたばた喜劇」などとも訳される。チャップリンのそれなどが有名。

 

公演詳細

【山形公演】

◆日時:2018年12月16日(日) 14:00 開場 / 14:30 開演
◆会場:山形市民会館
 
◆入場料:一般 2,000円 / 学生 1,000円 / 高校生以下 無料
 
◆主催:合唱団じゃがいも、山形市、山形市民会館管理運営共同事業体
◆後援:山形県芸術文化協会、山形市芸術文化協会、山形県合唱連盟
◆チケット取り扱い:辻楽器店、富岡本店、山形市民会館
 

【東京公演】

◆日時:2019年2月10日(日) 14:00 開場 / 14:30 開演
◆会場:かめありリリオホール
 
◆主催:合唱団じゃがいも
◆チケット取り扱い:かつしかシンフォニーヒルズ(TEL:03-5670-2233)
          かめありリリオホール(TEL:03-5680-3333)
 
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フォトギャラリー

 
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(撮影・編集:鈴木 康弘)