こいづば鹿さ呉でやべか。

それ、鹿、来て喰。

合唱団じゃがいも  第43回定期演奏会

【東京公演】日時:2017年1月29日(日) 14:00 開場 / 14:30 開演

「鹿踊りのはじまり」宮沢賢治

 「こいづば鹿さ呉でやべか。それ、鹿、来て喰」と嘉十はひとりごとのように言って、それをうめばちそうの白い花の下に置きました。それから荷物をまたしょって、ゆっくりゆっくり歩きだしました。
 ところが少し行ったとき、嘉十はさっきのやすんだところに、手拭を忘れて来たのに気がつきましたので、急いでまた引っ返しました。あのはんのきの黒い木立がじき近くに見えていて、そこまで戻るぐらい、なんの事でもないようでした。
 けれども嘉十はぴたりとたちどまってしまいました。
 それはたしかに鹿のけはいがしたのです。
 鹿が少くても五六疋、湿っぽいはなづらをずうっと延ばして、しずかに歩いているらしいのでした。

 

 

林 光(2002年第29回定期演奏会プログラムより)

 『鹿踊のはじまり』を書いてからでなくては死ねない、なんてはじめは冗談で、でもそのうち冗談で言うのはなにやら不謹慎に思えるようなトシになって、実のところまだまだ準備不足のような気がしながらもエイと決心してとりかかったのが、この作品である。

作曲・林 光(はやし ひかる)

 1931年-2012年。東京生まれ。東京芸術大学作曲科中退。「交響曲ト調」(53)で芸術祭賞を受賞。「オーケストラのための変奏曲」(56)で第四回尾高賞を受賞。同年、映画「裸の島」で第二回モスクワ映画祭作曲賞を受賞。日本語と音楽との自然な結びつきを探究し、オぺラシアターこんにゃく座の座付作曲家として「セロ弾きのゴーシュ」「森は生きている」「変身」などのオペラを多数作曲、オペラ「吾輩は猫である」(98)により第三十回サントリー音楽賞を受賞。ヴィオラ協奏曲<悲歌>(95)は第四十四回の尾高賞を受賞した。他方、俳優座、黒テントと共働した音楽劇、そして映画音楽、宮澤賢治、ブレヒトの歌曲なども多数。
 合唱団じゃがいもとは1986年の第13回定演から隔年でお付き合いいただき、1996年からは毎回、作品を委嘱、2011年からは芸術監督を引き受けていただいた。

演出・加藤 直(かとう ただし)

 上智大学外国語学部中退。俳優座養成所15期卒。1970年、「黒テント」の創立に参加、以後「黒テント」「赤いキャバレー」の制作、演出を中心に、オペラ、ミュージカル、コンサート等の劇作演出、童話、作詞、翻訳などを手掛け、現在にいたる。
 合唱団じゃがいもとは、1988年の第15回定演からお付き合いいただいている。

「合唱団じゃがいも」プロフィール

 「合唱団じゃがいも」は1974年から山形市を拠点に活動を続けている混声合唱団です。
 山形と東京で開催している定期演奏会では、作曲家の林光さん(芸術監督)や萩京子さん、吉川和夫さん、演出家の加藤直さんや山元清多さん、恵川智美さんを迎え、宮沢賢治の作品を合唱劇として依嘱初演するなど、合唱界では斬新でユニークな創作活動に取り組んでいます。
 また、親子がいっしょに活動することも大切にしています。子供達はみずから自分たちを「子じゃが」と呼び、大人といっしょに歌っています。
 去年の定期演奏会では、合唱劇『北守将軍と三人兄弟の医者』(萩京子)と合唱劇『オツベルと象』(吉川和夫)を上演、7月には富山県民会館で開催された「とやま世界こども舞台芸術祭2016」で『オツベルと象』を、8月には仙台市天文台プラネタリウムで『銀河鉄道の夜』(吉川和夫)を上演し好評を得ました。

 

委嘱初演した合唱劇等の主な作品

◆林 光作曲:『森は生きている』『かしわばやしの夜』『狼森と笊森、盗森』『鹿踊りのはじまり』『革トランク・東京の賢治』『なめとこ山の熊』『地の歌風の歌』「冬と銀河ステーション」「北上川はけい気をながしィ」「わたくしという現象は」「無声慟哭」

◆萩京子作曲:『黄いろのトマト』『どんぐりと山猫』『注文の多い料理店』

◆吉川和夫作曲:『オツベルと象』『銀河鉄道の夜』『マユコの森』『ポラーノの広場』『雪渡り』「やまなし」

 

 

公演詳細

合唱劇「鹿踊りのはじまり」《2002年委嘱作品》

原作:宮沢賢治
作曲:林 光
演出:加藤 直

照明:安達俊章
舞台監督:平野礼子(劇団山形)
美術:安藤 淳

指揮:鈴木義孝

クラリネット:南川 肇
ヴァイオリン:茂木 智子
オルガン:郷津由紀子
パーカッション:星 律子

 

宮沢賢治の詩による混声合唱曲・ソング集

原作:宮沢賢治
作曲:林 光
演出:加藤 直

指揮:鈴木義孝

クラリネット:南川 肇
ヴァイオリン:茂木 智子
ピアノ:郷津由紀子

照明:安達俊章
舞台監督:平野礼子(劇団山形)
美術:安藤 淳

<曲目>

  1. 序詞
  2. グランド電柱
  3. 岩手軽便鉄道の一月
  4. 海だべがど
  5. 祈り
  6. 冬と銀河ステーション
  7. 鳥のように栗鼠のように
  8. 北上川は熒気をながしィ
  9. ポラーノの広場のうた

 

【東京公演】

◆日時:2017年1月29日(日) 14:00 開場 / 14:30 開演
◆会場:かめありリリオホール
◆入場料:一般券 2,000円 / 高校生以下券 1,000円

 

 


 

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購入手順

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2、合唱団じゃがいもから、申込受付メールを受け取る。

3、申込受付メールで案内される銀行口座にチケット代を振り込む。

4、入金確認次第、合唱団じゃがいもから、チケットが郵送される。
(公演日直前の場合は、当日会場受付でチケットを受け取り、精算する。)

予約受付を行い、チケット準備が出来次第発送いたします。

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