……ある牛飼いがものがたる

オツベルときたら大したもんだ。

合唱団じゃがいも  第42回定期演奏会

【東京公演】日時:2016年1月31日(日) 14:00 開場 / 14:30 開演

「オツベルと象」宮沢賢治

 ……ある牛飼いがものがたる
 オツベルときたら大したもんだ。稲扱器械の六台も据えつけて、十六人の百姓どもが足で踏んで器械をまわし、のんのんのんのんのんのんと、大そろしない音をたててやっている。そのうすくらい仕事場を、オツベルは大きな琥珀のパイプをくわえ、吹殻を藁に落さないよう気をつけながら、ぶらぶら往ったり来たりする。
 そしたらそこへ白象がやって来た。白い象だぜ、ペンキを塗ったのでないぜ。どういうわけで来たかって?そいつは象のことだから、たぶんぶらっと森を出て、ただなにとなく来たのだろう。
 そいつが小屋の入口に、ゆっくり顔を出したとき、オツベルは、ちらっと鋭く象を見たが、何でもないというふうで、いままでどおり往ったり来たりしていたもんだ。

 

 

「北守将軍と三人兄弟の医者」宮沢賢治

 むかしラユーという首都に、兄弟三人の医者がいた。いちばん上のリンパーは普通の人の医者だった。その弟のリンプーは馬や羊の医者だった。いちばん末のリンポーは草だの木だのの医者だった。そして兄弟三人は、青い瓦の病院を三つならべて建てていた。
 さて三人は三人とも、実に医術もよくできてまた仁心も相当あって、もはや名医の類であつたのだが、まだいい機会がなかったために別に位もなかったし、遠くへ名前も聞えなかった。ところがとうとうある日のこと、ふしぎなことが起ってきた。
 北守将軍ソンバーユーが9万の軍勢を連れて30年ぶりに戻って来たのだ。

 

 

合唱団じゃがいものための広告     林 光(作曲家)

 「じゃがいも」は不思議な集団である。合唱団というのは、しばしば規律だとかきびしい練習だとか勢いだとかが表に出て目立つものだが「じゃがいも」にはそれがない。
 なんとなく楽しげで、はたから見るとのんびりとさえ思える行動が、かれらの規律であり練習であるらしい。ゆったりとした練習場は居心地がいいから、団員の娘や息子たちはその片隅で遊んだり本を読んだり過ごし、そのうち当然のように正式のメンバーになっていく。「子じゃが」と呼ばれて最初は自分らの出番をつくってもらっていた彼らは、やがて成人して親たちと肩を並べるようになる。最近は「孫じゃが」たちがそのあとを追いはじめている。
 好奇心、肩をいからさない、自然体の声と演技、これらのじゃがいも流をつくり出した中心に、結成いらいの指揮者・鈴木義孝さんがいる。ヴォイス・トレーナーに声をつくってもらっておいて、おもむろに「指導」するというような合唱指揮者からもっとも遠いところに彼はいる。このような、合唱共同体とでもいいたい集団はめったにない。
 だからぼくはいくつもの実験的な合唱作品の初演を鈴木さんと「じゃがいも」に委ねてきたし、それを後悔したことはない。
 「合唱がすべて」とむきになったりしない「じゃがいも」の良さをことばで伝えるのはむずかしい。実物にふれてお確かめください。

(第16回世田谷ファミリーコンサートのチラシから転載)

 

 

作曲家・吉川 和夫(きっかわ かずお)

 1954年名古屋市出身。東京芸術大学大学院修了。作曲を戸島美喜夫、野田暉行、間宮芳生各氏に師事1987年、萩京子、寺嶋陸也とともに作曲家グループ「緋国民楽派」を立ち上げる。NHKオーディオドラマ『ソフィーの世界』の音楽で放送文化基金賞受賞。新作雅楽《木々の記憶》がニューヨークで初演。合唱団じゃがいも委嘱では合唱劇『ポラーノの広場』『銀河鉄道の夜』『マユコの森』、合唱童話「やまなし」。ほかに混声合唱と和太鼓のための組曲「さくらのはなびら」、連作合唱曲「どうして あんなに」、音楽童話「むくどりのゆめ」などがある。CDには「トゥバラーマ~吉川和夫作品集」、国立劇場委嘱作品シリーズ・現代の日本音楽6「論義ビヂテリアン大祭ー聲明と狂言の語りによる」、「魂の行方 吉川和夫作品集」など。宮城教育大学教授。

 

作曲家・萩 京子(はぎ きょうこ)

 東京都生まれ。東京芸術大学音楽学部作曲科卒業。1979年よりオペラシアターこんにゃく座の座付作曲家兼ピアニスト。2004年より代表。主なオペラ作品に『北守将軍と三人兄弟の医者』『金色夜叉』『ロはロボットのロ』『にごりえ』『まげもん』『好色一代男』『夏の夜の夢』『ネズミの涙』『銀のロバ』『おぐりとてるて』など多数。オペラ以外の作品では、合唱組曲『飛行機よ』『朝のパン』など。合唱団じゃがいも委嘱では、合唱劇『黄色のトマト』『どんぐりと山猫』『注文の多い料理店』がある。1987年、吉川和夫、寺嶋陸也とともに作曲家グループ「緋国民楽派」同人。

 

演出家・恵川 智美(えがわ ともみ)

 「黒テント」で佐藤信、加藤直らの演出助手を務めた後、オペラ演出に活動を移す。文化庁在外研修員として95年より渡伊。『椿姫』『フィガロの結婚』等スタンダードなものから『ザザ』『花言葉』他の日本初演作品まで幅広く手がける。合唱曲『原爆小景』、『魂の舟?葬送の音楽』、『鼠たちの伝説』等も演出。他に新国立劇場委託『愛怨』、竹田恵子オペラひとりっ切り『にごりえ』、こんにゃく座『銀のロバ』、東京文化会館オペラボックス『カルメン』、合唱団じゃがいも『マユコの森』など。主催するlabo opera絨毯座第2回公演でサントリー音楽財団第8回佐治敬三賞受賞。武蔵野音楽大学、二期会オペラスタジオ、日本オペラ振興会新人歌手育成部講師。

 

 

「合唱団じゃがいも」プロフィール

 「合唱団じゃがいも」は1974年から山形を中心に、山形と東京での定期演奏会をはじめ文翔館コンサート、特別演奏会、学校公演などの活動を続けている混声合唱団です。定期演奏会では、作曲家の林光さん(芸術監督)や萩京子さん、吉川和夫さん、演出家の加藤直さんや山元清多さん、恵川智美さんを迎え、宮沢賢治の作品等を合唱劇や合唱オペラとして委嘱初演するという、合唱界では斬新でユニークなオリジナル作品の創作に取り組んでいます。また、親子がいっしょに歌うことも大切にしています。
 合唱オペラ「森は生きている」は、平成26年度県民芸術祭開幕公演として9月に山形市で、今年の1月には東京で公演し高評を得ました。
 これまで、県民芸術祭大賞(2001年)、同優秀賞(1993年、2009年、2013年)、山形市芸術文化協会賞(1996年)、同奨励賞(1989年)、山形市文化振興基金賞(2006年)を受賞。

 

委嘱初演した合唱劇等の主な作品

◆林 光作曲:『森は生きている』『かしわばやしの夜』『狼森と笊森、盗森』『鹿踊りのはじまり』
       『革トランク・東京の賢治』『なめとこ山の熊』『地の歌風の歌』「冬と銀河ステーション」
       「北上川はけい気をながしィ」「わたくしという現象は」「無声慟哭」
◆萩京子作曲:『黄いろのトマト』『どんぐりと山猫』『注文の多い料理店』
◆吉川和夫作曲:『雪渡り』『ポラーノの広場』『銀河鉄道の夜』『マユコの森』「やまなし」

 

 

公演詳細

合唱劇「オツベルと象」《委嘱作品・初演》

原作:宮沢賢治
作曲:吉川和夫
演出:恵川智美

照明:安達俊章
舞台監督:平野礼子(劇団山形)
美術:安藤 淳

指揮:鈴木義孝

オーボエ:西沢澄博
ヴィオラ:清水暁子
コントラバス:助川 龍
ピアノ:郷津由紀子

 

 

合唱劇「北守将軍と三人兄弟の医者」《合唱劇版初演》

原作:宮沢賢治
作曲:萩 京子
演出:恵川智美
指揮:鈴木義孝

照明:安達俊章
舞台監督:平野礼子(劇団山形)
美術:安藤 淳

 

【東京公演】

◆日時:2016年1月31日(日) 14:00 開場 / 14:30 開演
◆会場:かめありリリオホール
◆入場料:一般券 2,000円 / 学生券 1,000円

◆企画・制作 : 林光事務所
◆主催 : 合唱団じゃがいも
◆後援 : 山形県芸術文化協会、山形市芸術文化協会、山形県合唱連盟
◆チケット取り扱い : かつしかシンフォニーヒルズ、かめありリリオホール

 


 

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   (公演日直前の場合は、当日会場受付でチケットを受け取り、精算する。)

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